企業内転勤ビザの提出書類の変更とは?2026年4月運用開始|カテゴリー3・4で増えた書類

日高 拓郎
日高 拓郎行政書士(申請取次)
公開 / 更新
企業内転勤ビザの提出書類の変更とは?2026年4月運用開始|カテゴリー3・4で増えた書類

※この記事は、2026年10月9日時点の法令と出入国在留管理庁(入管庁)の公表資料に基づいています。

企業内転勤ビザ(在留資格「企業内転勤」)の提出書類は、2026年4月1日に変わりました。変更の中心は、カテゴリー3・4の会社が出す在留資格認定証明書交付申請と在留資格変更許可申請です。転勤前に勤務していた外国の事業所の存在を示す資料などが加わりました。

この記事では、変わった書類を申請の種類とカテゴリーごとにまとめます。企業内転勤で認められる転勤の範囲と、2027年4月1日に新設される「企業内転勤2号」も説明します。

目次
  1. どの申請で、どの会社の書類が変わったのか
  2. カテゴリー3・4の認定・変更で変わった書類
  3. 更新の申請で変わった点
  4. 自社のカテゴリーの確かめ方
  5. 企業内転勤で認められる活動と許可の基準
  6. 「転勤」に含まれる異動の範囲
  7. 技術・人文知識・国際業務との違い
  8. 審査にかかる日数と、申請の前に確かめること
  9. 2027年4月1日に新設される企業内転勤2号
  10. 今の企業内転勤で在留している人の扱い
  11. よくある質問
  12. まとめ
  13. 参考資料

どの申請で、どの会社の書類が変わったのか

書類が加わったのは、カテゴリー3・4の会社が出す、在留資格認定証明書交付申請と在留資格変更許可申請です。新しい一覧の運用は、2026年4月1日に始まりました。

この記事で扱う申請は、次の3つです。

  • 在留資格認定証明書交付申請:海外にいる社員を、新しく日本に呼ぶときの申請
  • 在留資格変更許可申請:ほかの在留資格で日本にいる人が、企業内転勤に変えるときの申請
  • 在留期間更新許可申請:企業内転勤で在留している人が、同じ活動を続けるときの申請
申請の種類カテゴリー1・2の会社カテゴリー3・4の会社
在留資格認定証明書交付申請変更の資料に一覧の掲載なし3項目が加わり、2項目の内容が変わった
在留資格変更許可申請変更の資料に一覧の掲載なし認定の申請と同じ
在留期間更新許可申請注記が加わった項目は提出の対象外住民税の証明書の項目に注記が加わった

カテゴリー1・2の会社は、申請書やカテゴリーを証明する文書など共通の書類のほかは、原則として不要です。この扱いは、入管庁の企業内転勤のページに書かれています。

認定の申請は、転勤先の日本の事業所の職員が代理人になり、地方出入国在留管理局に出せます(入管法第7条の2第2項、入管法施行規則別表第四)。

出典:出入国在留管理庁「在留資格「企業内転勤」の提出書類の変更について(令和8年4月1日運用開始)」、「在留資格「企業内転勤」」

カテゴリー3・4の認定・変更で変わった書類

加わったのは、外国の事業所の存在を示す資料、登記事項証明書(商業・法人登記)、日本の事業所の存在を示す資料の3項目です。入管庁の資料では、該当する箇所が赤字と取り消し線になっています。

番号書類(入管庁の一覧の文言)資料での示し方
7転勤前に勤務していた事業所の存在を明らかにする資料 (1) 公的機関から発行された法人登記に関する資料 (2) 納税状況、取引実績、船荷証券、輸出入許可書、広告等項目の全体が赤字
8申請人の経歴を証明する文書のうち、(2) 過去1年間に従事した業務内容及び地位、報酬を明示した転勤の直前に勤務した外国の機関(転勤の直前1年以内に申請人が企業内転勤の在留資格をもって本邦に在留していた期間がある場合には、当該期間に勤務していた本邦の機関を含む。)の文書(社会保険加入証明、戸口簿等)末尾の括弧書き「(社会保険加入証明、戸口簿等)」が赤字
9事業内容を明らかにする次のいずれかの資料選択肢の「(3) 登記事項証明書」に取り消し線
10登記事項証明書(商業・法人登記)項目の全体が赤字
11申請人が活動する事業所の存在を明らかにする資料(不動産登記簿、事務所の写真・平面図等)項目の全体が赤字

認定の申請用と変更の申請用で、この5項目の内容は同じです。番号は、入管庁の提出書類チェックシート(カテゴリー3・4のみ)のものです。

7番で「公的機関から発行された」と限定されているのは、(1)の法人登記に関する資料です。(2)には、取引実績や広告も挙げられています。5・6・9番にある「次のいずれかの資料」という文言は、7番にはありません。

8番の括弧書きは、「等」の付いた例です。社会保険加入証明に限るとは書かれていません。

資料の示し方から読むと、登記事項証明書は、事業内容を示す資料の選択肢の1つから、独立した項目になっています。7〜11番は、カテゴリー3・4のどちらの会社も出します。

出典:出入国在留管理庁「在留資格「企業内転勤」の提出書類の変更について(令和8年4月1日運用開始)」1〜2頁、「提出書類チェックシート(カテゴリー3・4のみ)」

更新の申請で変わった点

在留期間更新許可申請で変わったのは、住民税の証明書を出せない場合の注記が1つ加わった点です。

対象は、一覧の5番「住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)」です。カテゴリー3・4の会社で働く人が出す書類で、カテゴリー1・2は提出の対象になっていません。

加わった注記は、次の1文です。

5番に加わった注記
  • ※提出できない場合は、給与について申告済みであることを明らかにする資料を提出してください。

注記は、証明書を出せない場合に、代わりに出す資料を示しています。入管庁のページは、入国後間もない場合や転居などで、市区町村から証明書が発行されない場合があることにも触れています。

出典:出入国在留管理庁「在留資格「企業内転勤」の提出書類の変更について(令和8年4月1日運用開始)」3頁

自社のカテゴリーの確かめ方

カテゴリーは、転勤先の会社(所属機関)が上場しているか、前年分の法定調書合計表を出しているかなどで決まります。

カテゴリー当てはまる機関
1日本の証券取引所に上場している企業、保険業を営む相互会社、日本又は外国の国・地方公共団体、独立行政法人、特殊法人・認可法人、日本の国・地方公共団体認可の公益法人、法人税法別表第1に掲げる公共法人、イノベーション創出企業、一定の条件を満たす企業等のいずれか
2前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表で、源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人。または、カテゴリー2と同じ添付資料での申請を希望し、カテゴリー審査の資料を出して、在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関
3前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)
41〜3のいずれにも当てはまらない団体・個人

どのカテゴリーに当たるかは、四季報の写しや法定調書合計表の写しなどで証明します。出せる書類がない場合は、カテゴリー4として扱われます。

認定と変更の申請では、カテゴリー4の会社は、法定調書合計表を出せない理由を示す資料も出します。給与支払事務所等の開設届出書の写しなどです。

出典:出入国在留管理庁「在留資格「企業内転勤」」

企業内転勤で認められる活動と許可の基準

企業内転勤は、外国の事業所の職員が、期間を定めて日本の事業所に転勤し、技術・人文知識・国際業務に当たる活動を行うための在留資格です。

対象は、日本に本店、支店その他の事業所がある機関の、外国にある事業所の職員です。認められるのは、転勤した事業所で行う活動です(入管法別表第一の二)。

許可の基準は2つで、両方を満たす必要があります。

許可の基準
  • 転勤の直前に、外国にある本店、支店その他の事業所で、技術・人文知識・国際業務に当たる業務に、継続して1年以上従事していること
  • 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること

1年の計算には、企業内転勤で日本の事業所に勤務していた期間を合算できます。外国の事業所での業務は、技術・人文知識・国際業務に当たる業務であれば足ります。入管庁の審査要領は、転勤後の業務と同一又は関連する業務であることまでは必要でない、としています。

在留期間は、5年、3年、1年又は3月のいずれかです。

出典:出入国管理及び難民認定法別表第一の二、出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(企業内転勤の項)、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第二、出入国在留管理庁「入国・在留審査要領」第12編第16節

「転勤」に含まれる異動の範囲

同じ会社の中の異動のほか、親会社・子会社・関連会社への出向も「転勤」に含まれます。入管庁の審査要領は、転勤を「通常、同一会社内の異動」としたうえで、系列企業内の出向等も含まれるとしています。

次の表は、審査要領の整理です。入管庁の公表ページに、同じ表はありません。

異動の形企業内転勤の対象か
本店(本社)と支店(支社、営業所)の間一般的には対象
親会社と子会社の間(孫会社は子会社とみなされる)対象
子会社どうし、孫会社どうし、子会社と孫会社の間対象
曽孫会社どうし対象としない。親会社が孫会社・曽孫会社まで一貫して100%出資している場合は対象
関連会社への異動対象
関連会社どうし、親会社と「子会社の関連会社」の間対象としない

親会社、子会社、関連会社の意味は、財務諸表等規則(昭和38年大蔵省令第59号)第8条の定義によります。議決権の割合だけでなく、役員の派遣や融資などの関係も見て決まります。

申請では、転勤前の事業所と転勤後の事業所の関係を示す資料を出します。同じ法人の中の転勤か、日本法人への出向か、日本に事務所がある外国法人への出向かで、出す資料が分かれます。

出典:出入国在留管理庁「入国・在留審査要領」第12編第16節、「在留資格「企業内転勤」」

技術・人文知識・国際業務との違い

行う活動は同じですが、企業内転勤の基準には、学歴や実務経験の年数の定めがありません。代わりに、外国の事業所で直前に1年以上勤務していることが求められます。

項目企業内転勤技術・人文知識・国際業務
働き方外国の事業所から、期間を定めて転勤する日本の公私の機関との契約に基づいて働く
学歴・実務経験基準に定めなし関連する科目を専攻した大学の卒業、10年以上の実務経験などのいずれか(自然科学・人文科学の業務の場合)
直前の勤務外国の事業所で継続して1年以上基準に定めなし
報酬日本人と同等額以上日本人と同等額以上
在留期間5年、3年、1年又は3月5年、3年、1年又は3月

表は、基準省令と入管法施行規則の条文を並べたものです。技術・人文知識・国際業務(技人国)の要件は、技人国ビザの要件と必要書類にまとめています。

出典:出入国管理及び難民認定法別表第一の二、出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第二

審査にかかる日数と、申請の前に確かめること

企業内転勤の審査にかかった日数は、在留資格認定証明書の交付で平均37.8日です(令和8年7月許可分)。

申請の種類処分までの平均日数
在留資格認定証明書の交付37.8日
在留期間の更新39.6日
在留資格の変更13.0日

更新と変更の日数は、許可の告知までの日数で、入管に受け取りに行く日までを含みます。

全国の地方出入国在留管理局の平均で、許可された申請だけを数えた数字です。追加の資料を求められた場合は、その資料を出すまでの日数も含まれています。

入管庁は、提出書類が揃っていない申請は、大幅に審査が遅れる、または不利益処分となり得る可能性があるとしています。申請の前に、次の点を確かめておくと安心です。

入管庁のページにある留意事項
  • 外国語で作成された書類には、日本語の訳文を添える
  • 日本で発行される証明書は、すべて発行日から3か月以内のものを出す
  • 審査の過程で、一覧にない資料を求められる場合がある

外国の事業所の資料をどの書類でそろえるかに迷う場合は、当事務所の企業内転勤ビザの申請サポートで、追加書類の要否と国ごとの資料の組み合わせを確認しています。

変更と更新の手数料は、2026年10月1日に改定されました。金額は在留手数料の金額表にまとめています。

出典:出入国在留管理庁「在留審査処理期間」令和8年7月許可分、「在留資格「企業内転勤」」

2027年4月1日に新設される企業内転勤2号

2027年4月1日に、企業内転勤は第1号と第2号に分かれます。今の企業内転勤が第1号になり、技能等を修得するための第2号が加わります。根拠は、2024年6月に公布された改正入管法(令和6年法律第60号)です。

項目第1号第2号
活動技術・人文知識・国際業務に当たる活動(今と同じ)技能、技術又は知識(技能等)を修得するため、転勤先の事業所で講習を受け、技能等に係る業務に従事する活動
受け入れる機関法務省令の基準の定めなし常勤の職員の総数が20人以上。第2号の外国人の数は、常勤の職員の総数の20分の1まで
転勤前の勤務技術・人文知識・国際業務に当たる業務に継続して1年以上技能、技術又は知識を修得できる業務に継続して1年以上
在留期間5年、3年、1年又は3月1年を超えない範囲で、個々に指定される期間
配偶者・子の家族滞在対象対象外

日本人と同等額以上の報酬は、第2号でも基準になっています。第2号で日本に在留したことがある人は、その期間が通算1年に達していないことも必要です。常勤の職員の数には、外国の事業所の職員と、第2号の外国人を含めません。

第2号の活動からは、第1号の活動と育成就労の活動が除かれています。企業単独型の技能実習で、外国の事業所の職員を研修などのため1年以内の期間で受け入れていた場合は、2027年4月1日以降、第2号で受け入れることになります。

第2号での在留は通算1年が上限で、在留期間が満了した後は帰国が求められます。育成就労の仕組みは、育成就労制度の全体像にまとめています。

出典:出入国管理及び難民認定法別表第一の二・別表第一の四(令和6年法律第60号による改正後。2027年4月1日施行)、企業内転勤の項の下欄第二号に規定する公私の機関の基準を定める省令(令和7年法務省令第46号。2027年4月1日施行)、出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令・出入国管理及び難民認定法施行規則別表第二(令和7年法務省令第45号による改正後。2027年4月1日施行)、出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度運用要領」(令和8年8月)3-11〜3-12頁、出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」Q27

今の企業内転勤で在留している人の扱い

2027年4月1日の時点で企業内転勤で在留している人は、第1号で在留しているものとみなされます。在留期間は、今の在留期間が満了する日までです(令和6年法律第60号附則第7条)。

永住許可の審査では「就労資格」に数えない

2026年10月1日に改定された永住許可に関するガイドラインは、企業内転勤を「就労資格」から除きました。2027年4月1日以降の永住許可申請では、企業内転勤で在留した期間は「就労資格で5年」に数えられません。

適用の時期と、ほかの変更点は、永住許可ガイドラインの改定内容にまとめています。

出典:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」第2の4(2)注2、第2の5(6)、第6

よくある質問

転勤前の国に、社会保険加入証明に当たる書類がない場合はどうなりますか?

社会保険加入証明に限るとは書かれていません。一覧の文言は「(社会保険加入証明、戸口簿等)」で、「等」の付いた例です。

求められているのは、過去1年間の業務内容、地位、報酬を明示した、転勤の直前に勤務した外国の機関の文書です。どの書類で示せるかは、国と勤務先によって異なるため、詳しくはご相談の際に確認いたします。

外国の事業所での勤務が1年に満たない社員は、日本に呼べますか?

企業内転勤の基準は満たしません。基準は、転勤の直前に継続して1年以上勤務していることを求めています。

入管庁の審査要領は、この場合でも、技術・人文知識・国際業務の基準に適合すれば、その在留資格で入国できるとしています。学歴や実務経験が基準に合うかを、先に確かめることになります。

企業内転勤で、5年を超えて在留できますか?

無期限の在留は認められません。企業内転勤は「期間を定めて」転勤するための在留資格だからです。

入管庁のQ&Aは、5年を超えるような長期間の在留を希望する場合は、その必要性などを慎重に審査する、としています(令和8年7月版 Q44)。

まとめ

企業内転勤の提出書類は、2026年4月1日に変わりました。カテゴリー3・4の会社が出す認定と変更の申請に、外国の事業所の存在を示す資料、登記事項証明書(商業・法人登記)、日本の事業所の存在を示す資料が加わっています。更新の申請では、住民税の証明書を出せない場合の注記が加わりました。

2027年4月1日には、企業内転勤が第1号と第2号に分かれます。転勤を計画している会社は、自社のカテゴリーと、外国の事業所から取り寄せる資料を先に確かめておくと、申請の準備が進めやすくなります。

参考資料

執筆者

日高 拓郎
日高 拓郎

行政書士(申請取次)。ジプニー行政書士事務所 代表。千葉県行政書士会所属(登録番号 第25101585)。
フィリピンの現地法人で責任者を務めた後、2023年に株式会社ジプニー(登録支援機関)を創業。2025年にジプニー行政書士事務所を開業。

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