※この記事は、2026年10月9日時点の法令と出入国在留管理庁(入管庁)の公表資料に基づいています。
永住申請の住民税は、課税証明書・納税証明書を年度で数え、納期どおりに納めたことを示す資料を、申請日からカレンダーでさかのぼって数えます。就労関係の在留資格の方は、どちらも「直近5年」です。
数え方が違うため、証明書の提出対象から外れた年度でも、その年度の納期が「直近5年間」に残ることがあります。この記事では、2026年10月に申請する場合の例と、納付の遅れが見つかったときの申請時期の考え方を説明します。
目次
証明書は年度で、納期の確認は申請日からさかのぼって数える
住民税の証明書は年度ごとに数え、納期どおりに納めたことの資料は、申請の時点からさかのぼった期間が対象です。入管庁は、就労関係の在留資格の方に、次の2種類の資料を求めています。
| 入管庁の書き方 | 数え方(当事務所の整理) | |
|---|---|---|
| ア | 直近5年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書 | 年度(5年度分) |
| イ | 直近5年間において住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料 | 申請の時点からさかのぼった5年間 |
出典:出入国在留管理庁「永住許可申請3」7(1)
アの証明書は、1年間の総所得と納税状況が載ったもので、市区町村が年度ごとに発行します。そのため「5年分」は5年度分、つまり5つの年度の証明書を指します。
イは、納付期限を過ぎてからの納付(遅延納付)がないことを示すための資料です。入管庁が審査に使う「入国・在留審査要領」も、地方税の確認対象期間を、独立生計要件と同じ「申請時の直近5年間」としています(第12編第27節)。
住民税が給与から天引き(特別徴収)されていた期間は、イの資料は不要です。自分で納める方式(普通徴収)の期間がある方だけ、その期間の分を出します。資料の対象は、申請人と、申請人を扶養する方です。
在留資格ごとの対象期間
対象の期間は、申請人の在留資格や身分で変わります。年金と医療保険の保険料は、原則として過去2年間です。
| 申請人 | 住民税(ア・イ) | 年金・医療保険の保険料 |
|---|---|---|
| 就労関係の在留資格、「家族滞在」 | 直近5年 | 過去2年間 |
| 「定住者」 | 直近5年 | 過去2年間 |
| 日本人・永住者・特別永住者の配偶者 | 直近3年 | 過去2年間 |
| 日本人・永住者・特別永住者の実子等 | 直近1年 | 直近1年 |
出典:出入国在留管理庁「永住許可申請1」「永住許可申請2」「永住許可申請3」
「高度人材外国人」「特別高度人材」として申請する方の提出書類は、入管庁が別のページで定めています。以下では、直近5年が対象になる方を例に説明します。
2026年10月に申請する場合の例
2026年10月1日に申請する場合、証明書は令和8年度から令和4年度までの5年度分で、納期の確認は2021年10月1日以降の分が対象です。令和3年度は証明書の対象から外れますが、後半の納期は5年間に残ります。
| 年度 | アの証明書 | イの5年間に入る普通徴収の納期 |
|---|---|---|
| 令和8年度(2026年度) | 提出する | 2026年6月・8月 |
| 令和7年度〜令和4年度(2025〜2022年度) | 提出する | 4期すべて |
| 令和3年度(2021年度) | 提出しない | 第3期(2021年10月)・第4期(2022年1月) |
| 令和2年度(2020年度)以前 | 提出しない | 入らない |
この表は、普通徴収の納期が6月・8月・10月・翌年1月の市区町村を前提にしています。地方税法は、普通徴収の納期を「6月、8月、10月及び1月中」で市区町村の条例が定めるとしています(地方税法第320条)。
市区町村によっては、これと違う納期を定めていることがあります。ご自身の納期は、市区町村から届く納税通知書で確かめてください。
入管庁は、5年間を日単位でどう数えるかまでは公表していません(2026年10月時点)。境目に近い納期は、対象に入るものとして資料をそろえておくと安心です。
普通徴収の期間がある方が、申請前に確かめること
普通徴収の期間がある方は、申請の前に、各期を納期限までに納めたかどうかを確かめます。アの証明書とは別に、イの資料が求められているためです。
- 通帳の写し
- 領収証書
- Web通帳の画面の写し(取引履歴が分かり、加工できない状態で印刷したもの。Excelファイルなどは不可)
出典:出入国在留管理庁「永住許可申請3」7(1)イ
転職の前後は、特別徴収から普通徴収に切り替わっていることがあります。当事務所で受けたご相談でも、5年ほど前の転職のときに普通徴収に切り替わっていた方がいました。
この方は記憶がはっきりしなかったため、ご本人が市税課で納付の記録を確かめました。その結果、4期のうち1期の納付が遅れていたことが分かりました。
領収証書も通帳の記録も残っていない方は、市区町村の住民税の窓口で、納付の記録を確かめるところから始めます。窓口で納期限や納付日をどこまで教えてもらえるかは、市区町村によって異なります。
納期を過ぎて納めた分は、どう評価されるか
現行のガイドラインでは、納期を過ぎて納めた分は、申請の時点で納め終えていても、原則として不利に評価されます。入管庁の「永住許可に関するガイドライン」は、申請日によって適用される版が違います。
| 申請日 | 適用される版 | 税金・保険料の納付についての記載 |
|---|---|---|
| 2027年3月31日まで | 令和8年2月24日改訂 | 納付済みでも、当初の納付期間内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価 |
| 2027年4月1日以降 | 令和8年10月1日改定 | 申請時点で未納がなくても、過去に滞納処分を受けたことがあるなど、過去において適切に支払っていない状況が認められる場合は、原則として消極評価。原則として同一生計世帯単位で審査 |
出典:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」第2の5(3)・第6、「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
改定後の版は「納期」という言葉を使っていませんが、提出書類のページは、引き続き遅延納付がないことの資料を求めています。
改定後の版のうち、収入と公共の負担の2項目は、2026年4月1日以降に申請し、2026年10月1日時点で審査中だった案件にも適用されています。改定の全体は、永住許可ガイドラインの改定内容にまとめています。
「入国・在留審査要領」には、納付の遅れと未納について次の2点が書かれています(第12編第27節)。
- 納税期限後に納税していることにやむを得ない事情が認められる場合は、消極的に評価しない
- 未納などを理由に不許可になった後、未納分を追納して再申請しても、追納したことで不適合の理由が解消したとは評価しない。再申請の時から算出する新たな確認対象期間で、公的義務が適正に履行されていることが必要
この要領は、ガイドラインが2026年10月1日に改定される前に開示された版です。改定に合わせて要領が改められたかどうかは、確認できていません(2026年10月時点)。
遅れが見つかったとき、申請の時期をどう決めるか
申請の時期は、遅れの内容と、2027年3月31日までに申請できるかどうかの両方で判断します。遅れた納期が直近5年間から外れるのを待てば足りる、とは言い切れません。
上の要領の記載からは、遅れた納期が確認対象期間の外に出ることが、申請時期の一つの目安になります。ただし、2027年4月1日以降の申請には、改定後のガイドライン全体が適用されます。
ガイドラインは、改定前も改定後も、評価の対象にする期間を書いていません。5年という期間は、提出書類と審査要領によるものです。2027年4月1日以降の申請でこの期間の扱いが変わるかどうかは、公表されていません(2026年10月時点)。
- 遅れた納期が、申請の時点からさかのぼった5年間に入るか
- 遅れにやむを得ない事情があり、資料で説明できるか
- 2027年3月31日までに申請できるか
- 申請人を扶養する方に、納付の遅れがないか(現在も資料の対象)
- 生計を同じくする家族に、納付の遅れがないか(2027年4月1日以降の申請は、原則として同一生計の世帯単位で審査)
申請を2027年4月1日以降に延ばすと、日本語能力や世帯の年収なども考慮要素に加わります。延ばすことで有利になる点と不利になる点を、両方見て決めることになります。
納付の記録に不安がある方は、永住許可申請のご相談で、納付の状況と申請の時期を一緒に確認します。
よくある質問
特別徴収(給与天引き)だった期間も、イの資料は必要ですか?
不要です。入管庁は、直近5年間のすべてが特別徴収の方はアの資料だけでよい、としています。
会社が天引きした住民税を納めていなかった場合はどうでしょうか。「入国・在留審査要領」は、本人の責任とはいえない理由による未納は、要件を満たさないものとして扱わないとしています。
5年度分の証明書が市区町村から発行されないときは、どうすればよいですか?
発行される最長の期間分を提出します。入管庁の提出書類のページに、その旨の記載があります。
新しい年度の証明書は、いつから取れますか?
お住まいの市区町村によって時期が異なります。新しい年度の納付が証明書に反映される時期も、市区町村によって異なります。
年度の切り替わる時期に申請する方は、どの年度の証明書まで発行されるかを先に確かめてから、5年度分をそろえてください。
まとめ
永住申請の住民税は、課税証明書・納税証明書を年度で数え、納期どおりに納めたことの資料を申請日からさかのぼって数えます。証明書の対象から外れた年度でも、その年度の納期が直近5年間に残ることがあります。
普通徴収の期間がある方は、申請の前に、各期の納期限と納付日を確かめてください。遅れが見つかった場合は、遅れの内容と、2027年3月31日までに申請できるかどうかの両方を見て、申請の時期を決めます。
参考資料
- 出入国在留管理庁「永住許可申請3」(申請人の方が、就労関係の在留資格及び「家族滞在」の在留資格である場合)
- 出入国在留管理庁「永住許可申請1」(日本人・永住者・特別永住者の配偶者、実子等である場合)
- 出入国在留管理庁「永住許可申請2」(「定住者」の在留資格である場合)
- 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」(2026年2月)
- 出入国在留管理庁「入国・在留審査要領」第12編第27節「永住者」(リンクなし)
- 地方税法第320条(普通徴収に係る個人の市町村民税の納期)




