在留期間「3年」でも永住申請できる?経過措置の条件と2027年3月31日の区切り

日高 拓郎
日高 拓郎行政書士(申請取次)
公開 / 更新
在留期間「3年」でも永住申請できる?経過措置の条件と2027年3月31日の区切り

※この記事は、2026年10月9日時点の法令と出入国在留管理庁(入管庁)の公表資料に基づいています。

在留期間が「3年」の方も、2027年3月31日までに永住許可を申請すれば、「最長の在留期間で在留している」ものとして扱われます。区切りになるのは申請した日で、結果が出る日ではありません。

2027年4月1日以降の申請では、3つの条件をすべて満たす場合に限られます。その1つは、「3年」の在留期限までに処分(申請に対する結果)を受けることです。根拠は、2026年10月1日に改定された「永住許可に関するガイドライン」の注4です。

目次
  1. 在留期間「3年」で永住許可を申請できるのか
  2. ガイドライン注4の原文
  3. 2027年3月31日までに申請する場合
  4. 2027年4月1日以降に申請する場合
  5. 在留期限までに処分を受けられるか
  6. 申請の時期を決める前に確認すること
  7. よくある質問
  8. まとめ
  9. 参考資料

在留期間「3年」で永住許可を申請できるのか

在留期間「3年」の方も、2027年3月31日までに申請すれば、最長の在留期間で在留しているものとして扱われます。これは、2027年3月31日を区切りにした経過措置です。

永住許可(在留資格「永住者」になるための許可)は、本人が申請し、法務大臣が許可するかどうかを判断します。審査では、申請の時点で、いま持っている在留資格の「最長の在留期間」で在留しているかが、考慮要素の1つになります。

最長の在留期間は、在留資格ごとに、入管法施行規則の別表第二で決まっています。たとえば「技術・人文知識・国際業務」と「日本人の配偶者等」は、どちらも5年です。これらの在留資格では「3年」は最長ではないため、経過措置で扱いが決められています。

永住許可を申請した日在留期間「3年」の扱い
2027年3月31日まで最長の在留期間で在留しているものとして扱われる
2027年4月1日以降3つの条件をすべて満たす場合に限り、同じ扱いになる

出典:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」第1の1、第2の5(6)・(注4)/出入国管理及び難民認定法施行規則 別表第二

ガイドライン注4の原文

経過措置の根拠は、ガイドラインの第2の5(6)に付いている注4です。条件の文言がそのまま判断の基準になるので、原文を載せます。

(注4)令和9年3月31日までに申請があった永住許可申請においては、在留期間「3年」を有する者であっても、上記第2の5(6)の「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱うこととします。

また、令和9年4月1日以降に申請があった永住許可申請においては、令和9年3月31日の時点において在留期間「3年」を有しており、その永住許可申請が令和9年4月1日以降に行った初回の永住許可申請で、かつ、令和9年4月1日から当該「3年」の在留期限までの間にその永住許可申請に係る処分を受ける場合に限り、在留期間「3年」を有する者であっても、上記2の5(6)の「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱います。

令和9年は2027年です。1つ目の文は2027年3月31日までの申請、2つ目の文は2027年4月1日以降の申請の扱いを定めています。「初回」と「在留期限までに処分を受ける」という条件は、2つ目の文にだけ付いています。

改定前のガイドライン(令和8年2月24日改訂)では、同じ趣旨の経過措置が注1に置かれていました。改定後の注4は、「申請があった」日で2つに分ける書き方になっています。

出典:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」第2の5(6)(注4)、「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」(注1)

2027年3月31日までに申請する場合

2027年3月31日までの申請に付いている条件は、申請の日と、在留期間「3年」を持っていることの2つです。

注4の1つ目の文は、処分の時期と申請の回数を条件にしていません。申請が2027年3月31日までであれば、結果が4月1日以降に出る場合も、この文の対象です。不許可になった後、3月31日までにもう一度申請する場合も同じです。

審査の中身も、申請した日で分かれます。改定後のガイドライン全体が適用されるのは、2027年4月1日以降の申請です。

収入と公共の負担の2項目だけは、2026年4月1日以降に申請して2026年10月1日時点で審査中だった案件にも適用されています。改定の内容と適用時期は、永住許可ガイドラインの改定内容にまとめています。

出典:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」第2の5(6)(注4)、第6

2027年4月1日以降に申請する場合

2027年4月1日以降の申請は、次の3つをすべて満たす場合に限り、「3年」が最長の在留期間として扱われます。

注4の3つの条件(すべて満たすこと)
  • 2027年3月31日の時点で、在留期間「3年」を持っている
  • その申請が、2027年4月1日以降に行った初回の永住許可申請である
  • 2027年4月1日から、その「3年」の在留期限までの間に、その申請の処分を受ける

3つ目の条件は、申請の日ではなく、処分を受ける日が基準です。在留期限までに申請を出しただけでは、条件を満たしません。

「その『3年』」は、原文では「当該『3年』」で、2027年3月31日の時点で持っていた「3年」を指すと読めます(当事務所の読み方です)。「初回」は、2027年4月1日以降に行った申請の中での初回です。

注4が扱いを決めているのは、最長の在留期間の1点だけです。2027年4月1日以降の申請は、日本語能力、年収の水準、年金などを含む、改定後のガイドライン全体で審査されます。

出典:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」第2の5(6)(注4)、第6

条件に当てはまるかの見分け方

下の表は、注4の文言に、よくある状況を当てはめたものです。右の列は入管庁の記載ではなく、当事務所の整理です。

状況当事務所の整理(注4の文言に当てはめた結果)
2027年3月31日の時点では「1年」で、4月1日以降に「3年」を受けた1つ目の条件を満たさない
2027年3月31日までの申請が不許可になり、4月1日以降に初めて申請する4月1日以降の初回に当たる(ほかの2つの条件も必要)
2027年4月1日以降の申請が不許可になり、もう一度申請する初回ではないので、2つ目の条件を満たさない
「3年」の在留期限までに、処分が出ない3つ目の条件を満たさない
2027年4月1日以降に更新し、新しく「3年」を受けた3つ目の条件の在留期限は、3月31日時点の「3年」の期限と読める。新しい期限まで延びるとは書かれていない

条件を満たさない申請では、「3年」は最長の在留期間として扱われません。その場合、この考慮要素に当てはまるのは、更新で最長の在留期間を受けた後です。

在留期限までに処分を受けられるか

2027年4月1日以降に申請する場合は、「3年」の在留期限までの残りの日数と、審査にかかる日数を比べます。入管庁が公表している期間は、次の2つです。

資料永住許可の審査にかかる期間
手続案内の「標準処理期間」4か月〜6か月
在留審査処理期間(令和8年7月許可分)310.2日(申請の受理から許可の告知まで。全国の平均)

出典:出入国在留管理庁「永住許可申請」、「在留審査処理期間」令和8年7月許可分

310.2日は、許可された申請だけの平均です。不許可と取下げは含まれず、追加の資料を出すまでの日数は含まれています。

たとえば、在留期限が2027年9月30日の方が、2027年4月1日に申請したとします。在留期限までは約6か月です。審査に310日かかると、計算上、結果が出るのは2028年2月上旬になり、在留期限に間に合いません。

審査にかかる日数は、申請ごとに違います。この実績を目安にすると、申請する日から在留期限までの残りが310日より短い方は、2027年3月31日までに申請できるかが分かれ目になります。310日より長ければ足りる、という意味ではありません。

申請の時期を決める前に確認すること

経過措置で決まるのは「3年」の扱いだけで、許可されるかどうかは、ほかの考慮要素を含めて判断されます。ガイドラインは、永住許可を、個々の事情を総合的に考慮して判断するとしています。

2027年3月31日までに申請しても、結果が出るのは4月1日以降になることがあります。そこで不許可になると、「3年」のまま経過措置を使えるのは、4月1日以降の初回の申請だけです。その申請には、3つの条件と、改定後のガイドライン全体がかかります。

申請の時期は、在留期限、在留歴、税金・社会保険料の納付状況をあわせて見て決めます。永住許可申請のご相談で、ご自身の在留期限に当てはめて一緒に確認します。

出典:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」第1の2、第2の5(6)(注4)、第6

よくある質問

在留期間が「1年」です。経過措置の対象になりますか?

対象になりません。注4が定めているのは、在留期間「3年」を持つ方の扱いだけです。2027年3月31日までに更新で「3年」を受け、同じ日までに永住許可を申請する場合は、注4の1つ目の文に当てはまります。

永住許可の審査中に、「3年」の在留期限が来ます。どうすればよいですか?

在留期限までに、永住許可の申請とは別に、在留期間の更新を申請します。入管庁の手続案内は、永住許可の申請中に在留期間が過ぎる場合、満了する日までに在留期間更新許可申請が必要だとしています。

経過措置との関係は、永住許可を申請した日で変わります。2027年3月31日までの申請は、注4の1つ目の文に、結果が出る時期の条件がありません。2027年4月1日以降の申請は、「3年」の在留期限までに結果が出なければ、3つ目の条件を満たさなくなります。

まとめ

在留期間「3年」の方も、2027年3月31日までに永住許可を申請すれば、最長の在留期間で在留しているものとして扱われます。区切りは申請した日で、処分の時期と申請の回数は条件になっていません。

2027年4月1日以降の申請は、3月31日時点で「3年」を持ち、4月1日以降の初回の申請で、その「3年」の在留期限までに処分を受ける場合に限られます。審査も、改定後のガイドライン全体で行われます。

まず、在留カードで在留期間と在留期限を確かめてください。在留期限までの残りの日数が分かると、2027年3月31日までに申請するかどうかを決めやすくなります。

参考資料

執筆者

日高 拓郎
日高 拓郎

行政書士(申請取次)。ジプニー行政書士事務所 代表。千葉行政書士会所属(登録番号 第25101585)。
フィリピンの現地法人で責任者を務めた後、2023年に株式会社ジプニー(登録支援機関)を創業。2025年にジプニー行政書士事務所を開業。

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