※この記事は、2026年10月9日時点の法令と出入国在留管理庁(入管庁)の公表資料に基づいています。
技人国(在留資格「技術・人文知識・国際業務」)の「専攻と業務の関連性」とは、学校で専攻した科目と、入社後に従事する業務とのつながりのことです。学歴で技人国の基準を満たす場合に必要になります。
入管庁は、大学を卒業した人の関連性を柔軟に判断し、専修学校(専門学校)を修了した人には、原則として相当程度の関連性を求めています。採用を担当する方に向けて、学校ごとの判断、入管庁が公表している事例、申請で出す書類を説明します。
目次
専攻と業務の関連性とは
学歴で技人国の基準を満たすには、従事する業務に必要な技術や知識に「関連する科目」を専攻していることが必要です。根拠は、上陸基準省令(出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令)の技人国の項第1号です。
第1号は、自然科学または人文科学の分野に属する技術や知識を必要とする業務に就く場合の基準です。学歴で満たす方法は、次の2つです。
| 上陸基準省令 | 学歴の内容 |
|---|---|
| 第1号イ | 業務に必要な技術・知識に関連する科目を専攻して、大学を卒業した。または、これと同等以上の教育を受けた |
| 第1号ロ | 業務に必要な技術・知識に関連する科目を専攻して、日本の専修学校の専門課程または専攻科を修了した(修了に関し法務大臣が告示で定める要件に当たる場合に限る) |
入管庁は、この基準を「大学・専修学校において専攻した科目と従事しようとする業務が関連していることが必要です」と説明しています。
出典:e-Gov法令検索「上陸基準省令」、出入国在留管理庁「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について」(最終改定令和8年4月。以下「明確化等について」)2(1)ア
関連性はどこまで求められるのか
関連性をどこまで求めるかは、卒業・修了した学校の種類で分かれます。入管庁は「明確化等について」で、次のように説明しています。
| 卒業・修了した学校 | 専攻科目と業務の関連性についての入管庁の説明 |
|---|---|
| 大学 | 従来より柔軟に判断している |
| 海外の大学 | 大学に準じた判断をしている |
| 高等専門学校 | 大学に準じた判断をしている |
| 専修学校 | 原則として、相当程度の関連性を必要とする |
| 認定専修学校専門課程修了者 | 柔軟に判断することとしている |
認定専修学校専門課程修了者とは、文部科学大臣から「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」の認定を受けた、専修学校の専門課程や専攻科の学科を修了した人です。
入管庁は、違いの理由に、学校教育法が定める学校の目的を挙げています。大学は「広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究」する機関です(第83条)。専修学校は「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ること」を目的としています(第124条)。
「柔軟に判断」は、関連性が不要という意味ではない
上陸基準省令は、大学を卒業した人にも、関連する科目を専攻したことを求めています。
ホテル・旅館等での就労についての別紙5は、業務と専攻した科目とが「ある程度関連していることが必要」と書いています。そのうえで、大学を卒業した人の関連性は「比較的緩やかに判断する」としています。
専修学校を修了した人についての2つの扱い
- 業務に相当程度関連する科目を直接「専攻」したとは認められない場合でも、履修内容全体を見て、業務に係る知識を習得したと認められる場合は、総合的に判断したうえで許否を判断している
- 関連性が認められた業務に3年程度従事した人は、その後に従事しようとする業務との関連性を、柔軟に判断する
出典:出入国在留管理庁「明確化等について」2(1)ア(注)、「別紙5(ホテル・旅館等において外国人が就労する場合の在留資格の明確化について)」1(1)、e-Gov法令検索「上陸基準省令」
学歴として認められる学校の範囲
学校を卒業していても、学校の種類によっては、上陸基準省令の学歴に当たりません。採用を決める前に、候補者の学校が次のどれに当たるかを確かめます。
| 候補者の学歴 | 上陸基準省令の学歴に当たるか |
|---|---|
| 日本の大学 | 当たる(第1号イ) |
| 日本の短期大学 | 当たる。入管庁は、基準の「大学を卒業し」た者に該当するとしている |
| 海外の大学 | 当たる。入管庁は、基準の大学について「本邦所在・外国所在を問わない」としている |
| 日本の専門学校(専修学校の専門課程・専攻科) | 下の箱の3つのいずれかであれば当たる(第1号ロ) |
| 日本の専門学校に当たる、外国の教育機関 | 当たらない。入管庁は、基準に適合しないとしている |
- 日本で専修学校の特定専門課程の教育を受け、専門士と称することができる
- 大学院への入学資格が得られる専門課程または専攻科の教育を受け、高度専門士と称することができる
- 特定専門課程を修了した人と同等以上の学力があると認められて専修学校の専攻科に入学し、その専攻科を修了している
海外の学校が「大学」や「これと同等以上の教育」に当たるかを、国や学位の名前ごとに示した記載は見当たりません。明確化等についてと就労資格Q&Aを確認した結果です(2026年10月9日時点)。
候補者の学校がどれに当たるか判断に迷う場合は、技術・人文知識・国際業務の申請に関するご相談で、卒業証明書の記載と業務の内容を一緒に確認します。
出典:出入国在留管理庁「明確化等について」2(1)ア(注)、「別紙5」1(1)、「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和8年7月。以下「就労資格Q&A」)Q34・Q35、e-Gov法令検索「上陸基準省令」
関連性が認められず不許可になった事例
入管庁が「専攻した科目との関連性が認められず、不許可となったもの」として別紙3に載せているのは、専門学校を卒業し、専門士の称号を付与された留学生の事例7件です。
| 事例 | 専攻(かっこ内は履修した科目) | 申請した業務 |
|---|---|---|
| (1) | 声優学科 | 外国人客が多く訪れるホテルで、ロビースタッフとして翻訳・通訳業務 |
| (2) | イラストレーション学科 | 外国人客が多く訪れる店舗で、翻訳・通訳を伴う衣類の販売業務(契約先は人材派遣・有料職業紹介の企業) |
| (3) | ジュエリーデザイン科 | コンピュータ関連サービスの企業で、外国人客からの相談対応、通訳や翻訳に関する業務 |
| (4) | 国際ビジネス学科(英語科目を中心に、パソコン演習、簿記、通関業務、貿易実務、国際物流、経営基礎等) | 不動産業(アパート賃貸等)の企業の営業部で、販売営業業務 |
| (5) | 国際ビジネス学科(経営戦略、貿易実務、政治経済、国際関係論等) | 同国人アルバイトが多数勤務する運送会社で、同国人アルバイト指導のための翻訳・通訳業務と労務管理 |
| (6) | 国際コミュニケーション学科(接遇、外国語学習、異文化コミュニケーション、観光サービス論等) | 飲食店を運営する企業で、店舗管理、商品開発、店舗開発、販促企画、フランチャイズ開発等 |
| (7) | 接遇学科(ホテル概論、フロント宿泊、飲料衛生学、レストランサービス、接遇概論、日本文化等) | エンジニアの労働者派遣会社で、外国人従業員の管理・監督、マニュアル指導・教育、労務管理 |
この7件は、認定専修学校専門課程修了者の事例を除いたものです。学科名から修得内容が明確なものには、専攻科目が記載されていません。
理由が詳しく書かれている事例もあります。
- (2):業務内容は母国語を生かした接客業務で、色彩、デザイン、イラスト画法等の専攻内容との関連性が認められない。翻訳・通訳の実務経験もない
- (4):専攻した中心科目は英語で、不動産と販売営業の知識に係る履修はごくわずかである
- (6):申請した業務は、経営理論、マーケティング等の知識を要するものである
別紙5にも、専門学校の服飾デザイン学科を卒業した人が旅館のフロントでの受付業務を申請した、同じ理由の不許可事例があります(不許可事例⑤)。
出典:出入国在留管理庁「別紙3(許可・不許可事例)」3-1 不許可事例、「別紙5」2
関連性とは別の理由で不許可になる場合
専攻と業務の関連性のほかに、業務の内容そのものが技人国に当たることが必要です。別紙3は、専門学校を卒業した留学生の不許可事例を、「専攻科目と従事する業務内容の関連性以外の判断」によるもの(10件)と分けて載せています。
たとえば、栄養専門学校で食品化学、衛生教育、臨床栄養学、調理実習などを履修した人が、菓子工場で洋菓子の製造を行うとして申請した事例です。入管は、反復訓練によって従事可能な業務であるとして、不許可にしました。
業務の内容が技人国に当たるかどうかは、技人国で申請と違う業務をさせるとどうなるかで説明しています。
出典:出入国在留管理庁「別紙3(許可・不許可事例)」3-1 不許可事例
許可事例にある専攻と業務の組み合わせ
別紙3には、経済学部を卒業した人が、ソフトウェア開発会社でシステムエンジニアとして働く許可事例などが載っています。日本の大学を卒業した人の許可事例から、学部と業務を抜き出すと次のとおりです。
| 事例 | 学部 | 業務 |
|---|---|---|
| 別紙3の2 許可事例(2) | 経営学部 | コンピューター関連サービスを業務内容とする企業で、翻訳・通訳に関する業務 |
| 同(5) | 工学部 | 食品会社で、コンサルティング業務 |
| 同(6) | 経済学部 | ソフトウェア開発会社で、システムエンジニアとして稼働 |
別紙3には、日本の大学を卒業した留学生の不許可事例が5件あります。理由は、勤務先の実態、業務の内容、報酬の額、留学中の在留状況、実務研修の計画です。専攻との関連性を理由とする事例は、この5件にはありません。
専門学校を卒業した人の許可事例
| 事例 | 専攻(かっこ内は履修した科目) | 業務 |
|---|---|---|
| 別紙3の3-1 許可事例(1) | マンガ・アニメーション科(ゲーム理論、CG、プログラミング等) | コンピュータ関連サービスを業務内容とする企業で、ゲーム開発業務 |
| 同(10) | 国際コミュニケーション学科(コミュニケーションスキル、接遇研修、異文化コミュニケーション、キャリアデザイン、観光サービス論等) | 人材派遣、人材育成、研修サービス事業を運営する企業で、外国人スタッフの接遇教育、管理等のマネジメント業務 |
| 同(11) | 国際ビジネス学科(観光概論、ホテル演習、料飲実習、フードサービス論、リテールマーケティング、簿記、ビジネスマナー等) | 飲食店経営会社の本社事業開発室で、アルバイトスタッフの採用、教育、入社説明資料の作成 |
国際ビジネス学科と国際コミュニケーション学科は、許可事例と不許可事例の両方に載っています。別紙3は、学科の名前に加えて、履修した科目と業務の内容を挙げています。
出典:出入国在留管理庁「別紙3(許可・不許可事例)」2、3-1
専門学校卒の人を翻訳・通訳で採用する場合
専門学校で「日本語」の科目を多く履修していても、その内容によっては、翻訳・通訳業務に必要な科目を専攻して卒業したとは認められません。別紙3の3-2が、専門士の称号を付与された留学生の事例として示している考え方です。認定専修学校専門課程修了者は対象から除かれています。
- 留学生が専門分野の科目を履修するために必要な、専門用語を修得するための履修
- 日本語の会話、読解、聴解、漢字等、日本語の基礎能力を向上させるレベルに留まるもの
- 同一の専門課程で、日本人学生には免除されている(日本人が履修の対象となっていない)「日本語」の授業の履修
入管庁は、専攻との関連性に加えて、次の2点も必要だとしています。実際に翻訳・通訳業務に従事できるだけの能力があることと、就職先に翻訳・通訳を必要とする十分な業務量があることです。
入管は、能力があることの証明に加えて、何語と何語の間の翻訳・通訳を行うのか、どういった業務があるのかの説明を、必要に応じて求めることがあります。
- 許可(2):国際ビジネス学科で、貿易論、マーケティング等の経営学に係る科目を中心に履修したが、ビジネス通訳実務、ビジネス翻訳実務、通訳技巧などを専門科目で履修した人が、商社の海外事業部で商談の通訳と契約資料の翻訳を行う
- 許可(3):国際教養学科で、卒業単位70単位のうち、日本語、英語、ビジネス文書、ビジネスコミュニケーション等文章表現等の取得単位が合計30単位あり、日本語能力試験N1に合格している人が、渉外調整の際の通訳を行う
- 不許可(1):CAD・IT学科で、日本語の取得単位が卒業単位の約2割程度しかなく、その授業は留学生を対象に日本語の基礎能力の向上を図るものであった
出典:出入国在留管理庁「別紙3(許可・不許可事例)」3-2
学歴について申請で出す書類
学歴について出す書類は、所属機関のカテゴリーごとに、入管庁の技人国のページで決まっています。カテゴリーは、所属機関(外国人が働く会社や団体)の区分で、1から4まであります。
次の表は、海外から呼び寄せるときの在留資格認定証明書交付申請と、留学などから切り替えるときの在留資格変更許可申請で出す書類です。
| 書類 | 出す人 | 所属機関のカテゴリー |
|---|---|---|
| 専門士または高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書 | 専門学校を卒業し、専門士または高度専門士の称号を付与された人 | 1〜4 |
| 専攻科を修了したことを証明する文書 | 専門学校の専攻科を修了した人 | 1〜4 |
| 認定学科修了証明書 | 外国人留学生キャリア形成促進プログラムとして認定を受けた学科を修了した人 | 1〜4 |
| 履歴書(申請に係る技術または知識を要する職務に従事した機関、内容、期間を明示したもの) | 申請人 | 3・4 |
| 大学等の卒業証明書、またはこれと同等以上の教育を受けたことを証明する文書 | 学歴で基準を満たす人 | 3・4 |
カテゴリー1・2の所属機関は、申請書などの共通の書類(表の上の3つを含む)のほかは、原則として不要です。外国語で作成された書類には、日本語の訳文を添えます。
在留資格認定証明書交付申請書には、最終学歴と「専攻・専門分野」を書く欄があります。
成績証明書や履修科目の資料の扱い
成績証明書と、履修した科目の一覧は、このページの提出書類の一覧にありません(2026年10月9日時点)。
ただし入管庁は、審査の過程で、ページに記載のない資料を求める場合があるとしています。別紙3には、入管が申請人の成績証明書と日本語能力を示す資料を求めた事例が載っています(3-2 不許可事例(3))。
雇用理由書も、法令で提出を求めている書類ではありません。入管庁は、業務の内容をより具体的に確認する必要があると判断した場合に、雇用理由や職務内容の詳細な説明文等の追加提出を求める場合があるとしています。
採用を決める前に、候補者の卒業証明書と、履修した科目が分かる資料を見て、担当させる業務とのつながりを確かめておくと安心です。
出典:出入国在留管理庁「在留資格「技術・人文知識・国際業務」」、「在留資格認定証明書交付申請書」、「別紙3(許可・不許可事例)」3-2、「就労資格Q&A」Q22
学歴で満たせない場合の実務経験
専攻と業務が関連しない場合や、学歴が基準に当たらない場合は、実務経験で基準を満たせるかを確かめます。必要な年数は、業務の種類で分かれます。
| 業務の種類 | 必要な実務経験 |
|---|---|
| 自然科学・人文科学の分野に属する技術・知識を必要とする業務 | 10年以上(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程、専修学校の専門課程・専攻科で、関連する科目を専攻した期間を含む) |
| 外国の文化に基盤を有する思考・感受性を必要とする業務(翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝、海外取引業務、服飾・室内装飾に係るデザイン、商品開発、その他これらに類似する業務) | 関連する業務で3年以上(大学を卒業した人が翻訳、通訳、語学の指導に従事する場合は不要) |
単に技能実習や特定技能で実務経験を積んだことだけでは、上陸基準省令の「実務経験」を満たすものとして取り扱われません。入管庁は、特定技能での実務経験を土台にして、特定技能1号から技人国に変更してキャリアアップを図ることは想定していない、と説明しています。情報処理の業務には、告示で定める試験の合格や資格による例外があります。
実務経験の数え方を含む要件の全体は、技人国ビザ完全ガイドにまとめています。
出典:e-Gov法令検索「上陸基準省令」、出入国在留管理庁「就労資格Q&A」Q41
よくある質問
卒業前の留学生を採用します。卒業見込みの段階で申請できますか?
申請できます。入管庁は、国内の大学に在籍している留学生の在留資格変更許可申請を、卒業見込証明書の提出があれば受け付けるとしています。卒業後に卒業証明書を提出し、結果は、その提出の後に渡されます。
例年3月に大学等を卒業する留学生の申請は、12月から受け付けられています。
卒業証明書は、原本を出す必要がありますか?
原本の提出が必要です。入管庁は、証明書のように何度でも交付を受けられるものは原本を提出するとしています。卒業証書の場合は写しを提出し、申請のときに原本を持参して確認を受けます。
出典:出入国在留管理庁「就労資格Q&A」Q13・Q14
まとめ
技人国を学歴で申請する場合は、専攻した科目と従事する業務が関連していることが必要です。入管庁は、大学を卒業した人と認定専修学校専門課程修了者の関連性を柔軟に判断し、専修学校には原則として相当程度の関連性を求めています。
海外の大学と高等専門学校は、大学に準じて判断されます。日本の専門学校に当たる外国の教育機関の卒業は、基準に適合しません。
採用を決める前に、候補者の学校の種類、専攻と履修した科目、担当させる業務の3点を確かめてください。学歴で満たせない場合は、実務経験で基準を満たせるかを確かめます。
参考資料
- 出入国在留管理庁「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について」(平成20年3月策定、最終改定令和8年4月)
- 出入国在留管理庁「別紙3(許可・不許可事例)」
- 出入国在留管理庁「別紙5(ホテル・旅館等において外国人が就労する場合の在留資格の明確化について)」(令和8年4月改訂)
- 出入国在留管理庁「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和8年7月)
- 出入国在留管理庁「在留資格「技術・人文知識・国際業務」」
- 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請書」
- 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(技術・人文知識・国際業務の項)




