※この記事は、2026年10月9日時点の法令と出入国在留管理庁(入管庁)の公表資料に基づいています。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」(技人国)の人が派遣で働く場合の提出書類は、2026年3月9日の申請分から変わりました。派遣元と派遣先それぞれの誓約書と、労働者派遣個別契約書などの写しを提出します。申請の時点で派遣先が確定していない場合は、許可を受けられません。
ただし、新規採用者の採用直後の研修の後でなければ派遣先が決まらない場合は、替わりの書類を出して、その事情を踏まえた審査を受けます。この記事では、誰が何を出すのか、派遣先は何を誓約するのかを、入管庁の文書と様式の文言に沿って説明します。
目次
いつの申請から、何が変わったのか
派遣で働く場合の提出書類は、2026年3月9日(月)の申請分から変わりました。入管庁の文書「在留資格『技術・人文知識・国際業務』をもって派遣形態で就労する場合の取扱いについて」が、次の4点を示しています。
| 項目 | 入管庁の文書の内容 |
|---|---|
| 提出書類 | 2026年3月9日(月)申請分から、チェックシートのとおり変更 |
| 派遣先の確定 | 申請時点で派遣先が確定していない場合は、許可等を受けられない。ただし、新規採用者に採用直後の研修を行った後でなければ派遣先が決定されない場合は、その事情を踏まえて審査する |
| 在留期間 | 派遣契約期間に応じた在留期間が決定される |
| 派遣先への確認 | 在留審査の際、派遣元のほか、派遣先にも、申請人の業務内容や活動状況を直接確認する場合がある |
対象になるのは、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、在留資格取得許可申請です。すでに派遣で働いている人も、2026年3月9日以降に出す更新の申請から、新しい書類を提出します。
この文書は2026年2月(令和8年2月)付けで出され、2026年7月(令和8年7月)付けの版に改められました。7月の版で加わったのは、派遣先の確定の「ただし」以下と、その場合に出す書類です。入管庁の技人国のページでは、この文書のリンクに「令和8年7月13日更新」と表示されています。
出典:出入国在留管理庁「在留資格「技術・人文知識・国際業務」をもって派遣形態で就労する場合の取扱いについて」(令和8年7月)、「在留資格「技術・人文知識・国際業務」」
誰が何を出すのか
派遣元と派遣先がそれぞれ誓約書を作り、契約の内容が分かる資料の写しとあわせて、申請書類として提出します。所属機関のカテゴリー(1〜4)を問わず、申請人が派遣される人(被派遣者)であれば必要です。
| 書類 | 作成する側(当事務所の整理) | 認定・変更・取得 | 更新 |
|---|---|---|---|
| 申請人の派遣労働に関する誓約書(所属機関(派遣元)用) | 派遣元 | 必要 | 必要 |
| 申請人の派遣労働に関する誓約書(派遣先用) | 派遣先 | 必要 | 必要 |
| 労働条件通知書(雇用契約書)の写し | 派遣元 | 必要 | 必要 |
| 労働者派遣個別契約書の写し | 派遣元と派遣先 | 必要 | 必要 |
| 派遣元管理台帳の写し | 派遣元 | — | 必要 |
| 派遣先管理台帳の写し | 派遣先 | — | 必要 |
| 就業状況報告書の写し | 入管庁の資料に記載なし | — | 必要 |
「認定・変更・取得」は、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留資格取得許可申請のことです。部数は各1通です。更新の申請では、契約の内容が分かる資料(表の3行目以降)について、直近の在留期間中の資料も提出します。
「作成する側」の列は、入管庁の一覧にはありません。誓約書は様式の記名欄から、労働条件通知書は入管庁の文書の「派遣元との労働条件通知書(雇用契約書)」という書き方から、当事務所がまとめました。
出典:出入国在留管理庁「在留資格「技術・人文知識・国際業務」をもって派遣形態で就労する場合の取扱いについて」(令和8年7月)別添チェックシート、「在留資格「技術・人文知識・国際業務」」
管理台帳と就業状況報告書
派遣元管理台帳と派遣先管理台帳は、労働者派遣法が作成と3年間の保存を義務づけている書類です。派遣元管理台帳は派遣元事業主が、派遣先管理台帳は派遣先が作ります(労働者派遣法第37条、第42条)。
労働者派遣契約は、派遣元と派遣先が結ぶ契約です。同法は、契約を結ぶときに、派遣労働者が従事する業務の内容、就業の場所、派遣の期間などを定めるよう求めています(同法第26条第1項)。
「就業状況報告書」という名称の書類は、労働者派遣法と同法施行規則の条文にはありません。入管庁の文書と技人国のページにも、様式や記載事項の説明はありません(2026年10月時点)。何を出すかは、技術・人文知識・国際業務の申請のご相談で、派遣元・派遣先で作っている就業の記録を見ながら確認します。
誓約書で何を誓約するのか
派遣元は4項目、派遣先は3項目を誓約します。入管庁が参考様式を公表していて、誓約事項は次のとおりです。空欄には、希望する在留資格の名称を書き入れます。
| 所属機関(派遣元)用 | 派遣先用 | |
|---|---|---|
| 1 | 申請書(所属機関作成用)で申告した事項及びその他提出書類の内容が虚偽でないこと | 提出書類の内容が虚偽でないこと |
| 2 | 申請人及び申請人の派遣先に対して、(希望する在留資格)の在留資格の活動範囲及び申請書上で申告している「活動内容詳細」の内容について説明し、理解させていること | (希望する在留資格)の在留資格の活動範囲及び申請書上で申告されている「活動内容詳細」の内容について理解し、申請人を当該活動に従事させること |
| 3 | 地方出入国在留管理局が行う、関係書類の提出指導、事情聴取、実地調査等の調査に応じること。また、派遣先においても当該調査に応じることを確認していること | 地方出入国在留管理局が行う、関係書類の提出指導、事情聴取、実地調査等の調査に応じること |
| 4 | 上記2及び3について、申請人の派遣先に変更があった場合には、その都度同様の対応を行うこと | (なし) |
派遣先の誓約の中心は2です。在留資格の活動範囲と、申請書の「活動内容詳細」を理解し、申請人をその活動に従事させると誓約します。「活動内容詳細」は、在留申請の申請書にある、活動の内容を書く欄です。
1の「提出書類」は、派遣元・派遣先がそれぞれ自分の責任で作成した書類のことです。入管庁のQ&Aは、派遣先が、派遣元や申請人の作成した書類についてまで誓約する必要はないとしています。
派遣先の担当者は、署名の前に、申請書の「活動内容詳細」に何が書かれているかを派遣元から受け取って確かめてください。誓約の2は、その内容を理解していることが前提になっています。技人国で認められる業務の範囲は、技人国の全体像で説明しています。
出典:出入国在留管理庁「申請人の派遣労働に関する誓約書(参考様式・所属機関(派遣元)用)」「同(派遣先用)」、「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和8年7月)Q26
派遣先が決まっていない場合はどうするのか
申請の時点で派遣先が確定していない場合は、許可を受けられません。例外は、新規採用者の採用直後の研修の後でなければ派遣先が決まらない場合です。
この場合に入管が審査するのは、研修の後に、在留資格に当てはまる業務に従事することが具体的に立証されているかどうかです。入管庁の文書は、新規採用者への研修を行うため、派遣先を申請時に確定できない場合に限り、次のように書類を替えるとしています。
| 出せない書類(2点) | 替えて出す書類(4点) |
|---|---|
| 申請人の派遣労働に関する誓約書(派遣先用) | 研修内容を具体的に示す資料 |
| 労働者派遣個別契約書 | 派遣先において従事する予定の業務内容の範囲について具体的に記載された、派遣元との労働条件通知書(雇用契約書) |
| 申請人の派遣労働に関する誓約書(所属機関(派遣元)用) | |
| 申請人の派遣先の決定に関する誓約書(所属機関(派遣元)用) |
この誓約書の誓約事項は、次の2つです。
- 新規採用者に対して行う研修後に、派遣先において(希望する在留資格)の在留資格の活動範囲及び申請書上で申告している範囲内の業務に従事させること
- 研修後に派遣先が決定した際は、速やかに「申請人の派遣労働に関する誓約書(派遣先用)」を派遣先から聴取した上で、所属機関(派遣元)において適切に保管し、次回在留期間更新許可申請時に提出すること
派遣先が決まった後にすること
- 派遣先が決まったら、速やかに派遣先用の誓約書を作る
- 派遣元の責任で、次回の在留期間更新許可申請のときまで保管する
- 次回の申請のときに、当初出せなかった派遣先の誓約書と労働者派遣個別契約書を提出する
合理的な理由なく提出できない場合など、誓約に違反すると認められる場合の扱いも、文書に書かれています。その派遣元は、この例外の対象から外れます。あわせて、今後の審査で消極的な事情(消極事由)として扱われます。
出典:出入国在留管理庁「在留資格「技術・人文知識・国際業務」をもって派遣形態で就労する場合の取扱いについて」(令和8年7月)2・(注)、「申請人の派遣先の決定に関する誓約書(参考様式・所属機関(派遣元)用)」、「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和8年7月)Q27
在留期間と、入管から派遣先への確認
在留期間は派遣契約期間に応じて決まり、入管は派遣先にも業務内容や活動状況を直接確認する場合があります。どちらも、提出書類の変更と同じ入管庁の文書に書かれています。
在留期間について文書が示しているのは、「派遣契約期間に応じた在留期間が決定されます」という1文です。契約が何か月なら在留期間が何年になるか、という対応は書かれていません(2026年10月時点)。
派遣先への確認は、誓約書の内容とつながっています。派遣先は、地方出入国在留管理局が行う関係書類の提出指導、事情聴取、実地調査等の調査に応じることを誓約しています。派遣元も、派遣先が調査に応じることを確認していると誓約しています。
入管庁は、次の不許可事例を公表しています。派遣先で翻訳・通訳業務に従事するとして申請があったものの、労働者派遣契約書の職務内容は「店舗スタッフ」でした。入管が派遣先に業務内容を確認したところ、小売店での接客販売に従事してもらうとの説明があり、不許可になっています。
入管庁のQ&Aは、派遣先にも、在留資格で認められる活動内容の範囲を自分でよく確認するよう求めています。派遣先は、申請書の「活動内容詳細」、労働者派遣個別契約書の業務内容、現場での実際の業務の3つが同じ内容になっているかを、受入れの前に確かめてください。
出典:出入国在留管理庁「在留資格「技術・人文知識・国際業務」をもって派遣形態で就労する場合の取扱いについて」(令和8年7月)3・4、「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について 別紙3(許可・不許可事例)」、「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和8年7月)Q43
誓約を守らないとどうなるのか
誓約書には、誓約が虚偽だった場合や誓約に反した場合、在留諸申請の許可等を受けられない可能性があると書かれています。派遣元用と派遣先用のどちらの様式にも、同じ文があります。
- この誓約が虚偽であり、又はこの誓約に反した場合には、本件申請を含め当機関が所属機関となる外国人の在留諸申請の許可等を受けることができない可能性があることも理解しています。
対象は「本件申請」だけではありません。様式は、その機関が所属機関となる外国人の在留諸申請も含めています。「可能性がある」という書き方で、必ず不許可になるとは書かれていません。
技人国に当てはまらない業務に従事させた場合
誓約書とは別に、入管庁のQ&Aは、派遣先で技人国の活動内容に当てはまらない業務に従事させた場合の扱いを示しています。派遣会社(派遣元)と派遣先のいずれも、事業活動に関して不法就労活動をさせたものとして、不法就労助長罪(入管法第73条の2第1項第1号)に該当し得る、という内容です。
「該当し得る」という書き方で、当てはまらない業務があれば必ず罪になるとは書かれていません。罰則の内容と、処罰の対象になる行為は、不法就労助長罪で説明しています。
出典:出入国在留管理庁「申請人の派遣労働に関する誓約書(参考様式・所属機関(派遣元)用)」「同(派遣先用)」、「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和8年7月)Q42・Q43
派遣先が変わったときの手続き
派遣会社は同じで派遣先だけが変わった場合、技人国の人は、入管への「所属機関に関する届出」をする必要がありません。届出が必要になるのは、派遣会社との契約が終了したときや、新たに派遣会社と契約を結んだときです。契約の内容が変わっただけなら、届出は要りません。
「所属機関に関する届出」は、在留資格によって、活動機関を届け出る区分と、契約機関を届け出る区分に分かれます。技人国は、契約の相手方(契約機関)を届け出る区分です(入管法第19条の16第2号)。派遣で働く人の契約機関は、雇用契約を結んでいる派遣会社です。
| 場面(技人国の場合) | 所属機関に関する届出 |
|---|---|
| 派遣会社は同じで、派遣先だけが変わった | 不要 |
| 派遣会社との契約が終了した、新たに派遣会社と雇用契約を結んだ | 必要。本人が、事由が生じた日から14日以内に届け出る |
企業内転勤や経営・管理など、活動機関を届け出る区分の在留資格では、扱いが違います。派遣先が変われば、前の派遣先からの離脱と、新しい派遣先への移籍の届出が必要です。
届出が不要でも、派遣元の誓約は続きます。派遣元は、誓約書の4で、派遣先に変更があった場合には、その都度、誓約事項2・3と同様の対応を行うと誓約しています。新しい派遣先に活動範囲と「活動内容詳細」を説明して理解させ、調査に応じることを確認する、という内容です。
出典:出入国在留管理庁「所属機関等に関する届出・所属機関による届出Q&A」所属(契約)機関に関する届出のQ4・Q17、所属(活動)機関に関する届出のQ17、「申請人の派遣労働に関する誓約書(参考様式・所属機関(派遣元)用)」、入管法第19条の16
よくある質問
誓約書には、誰の名前を書きますか?
様式の記名欄のとおりに書きます。派遣元用は「所属機関名」「所属機関の代表者氏名」「所属機関(派遣元)責任者氏名」、派遣先用は「派遣先機関名」「派遣先責任者氏名」です。「責任者」がどの役職の人を指すかは、様式に書かれていません(2026年10月時点)。
派遣先が複数ある場合は、どうなりますか?
すべての派遣先で、技人国の活動に当てはまる業務内容である必要があります。入管庁のQ&Aが、派遣先が複数ある場合の扱いとして示しています。
更新の申請で出す契約書は、いま結んでいるものでよいですか?
申請の時点で結んでいる契約書でかまいません。ただし、契約期間の残りが1か月というように、次の在留期間中の見通しが立っていない場合は、契約書とは別に、その後の就労について説明する必要があります。
出典:出入国在留管理庁「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和8年7月)Q25・Q42
まとめ
技人国の人が派遣で働く場合の提出書類は、2026年3月9日の申請分から変わりました。派遣元と派遣先それぞれの誓約書、労働条件通知書(雇用契約書)の写し、労働者派遣個別契約書の写しを提出します。更新の申請では、派遣元管理台帳、派遣先管理台帳、就業状況報告書の写しが加わります。
申請の時点で派遣先が確定していない場合は、許可を受けられません。新規採用者の採用直後の研修の後でなければ派遣先が決まらない場合に限り、替わりの書類で審査を受けます。
派遣元は、申請書の「活動内容詳細」を派遣先に渡して説明してください。派遣先は、その内容と労働者派遣個別契約書、現場の業務が同じ内容になっているかを確かめてから、誓約書に署名してください。
参考資料
- 出入国在留管理庁「在留資格「技術・人文知識・国際業務」をもって派遣形態で就労する場合の取扱いについて」(2026年7月)
- 出入国在留管理庁「在留資格「技術・人文知識・国際業務」」
- 出入国在留管理庁「申請人の派遣労働に関する誓約書(参考様式・所属機関(派遣元)用)」
- 出入国在留管理庁「申請人の派遣労働に関する誓約書(参考様式・派遣先用)」
- 出入国在留管理庁「申請人の派遣先の決定に関する誓約書(参考様式・所属機関(派遣元)用)」
- 出入国在留管理庁「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について 別紙3(許可・不許可事例)」
- 出入国在留管理庁「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(2026年7月)
- 出入国在留管理庁「所属機関等に関する届出・所属機関による届出Q&A」
- 出入国管理及び難民認定法 第19条の16、第73条の2
- 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)第26条、第37条、第42条




