特定技能「外食業」の受入れ停止とは?止まっている申請・審査される申請と再開時期

日高 拓郎
日高 拓郎行政書士(申請取次)
公開 / 更新
特定技能「外食業」の受入れ停止とは?止まっている申請・審査される申請と再開時期

※この記事は、2026年10月9日時点の法令と、出入国在留管理庁(入管庁)・農林水産省の公表資料に基づいています。

特定技能「外食業分野」では、2026年4月13日以降に受理された1号の在留資格認定証明書交付申請は、交付されません。在留資格の変更も、同じ日以降に受理された申請は原則として不許可です。

一方、在留期間の更新と、外食業分野の中での転職に伴う申請は、通常どおり審査されます。再開の時期は示されていません(2026年10月9日時点)。申請の種類ごとの扱いと審査の進み具合を、入管庁と農林水産省の資料に沿って説明します。

目次
  1. いま外食業で特定技能1号を新しく受け入れられるのか
  2. 申請の種類ごとの扱い
  3. 特定活動(特定技能1号移行準備)への変更はできるか
  4. 留学生や他分野の特定技能から採用する場合
  5. 審査はどこまで進んでいるか
  6. 再開の時期は示されているか
  7. 特定技能2号と試験への影響
  8. いま企業ができること
  9. よくある質問
  10. まとめ
  11. 参考資料

いま外食業で特定技能1号を新しく受け入れられるのか

海外から呼び寄せる形での新しい受入れは、2026年4月13日から止まっています。出入国在留管理庁(入管庁)が、在留資格認定証明書(海外にいる人を呼び寄せるときの証明書)の交付を一時的に止める措置をとったためです。

理由は、外食業分野の特定技能1号の在留者数が、受入れ見込数(受入れの上限。5万人)を超えると見込まれたことです。入管法は、こうした場合に在留資格認定証明書の交付を一時的に止める措置を定めています(入管法第7条の2第3項・第4項)。

時点外食業分野の特定技能1号の在留者数
2026年2月末(速報値)約4万6,000人
2026年7月末(速報値)4万9,290人(受入れ見込数5万人の98.6%)

受入れ見込数の5万人は、2026年1月23日に閣議決定された、2029年3月までの数です。

措置までの経過は次のとおりです。

  1. 2026年3月27日:入管庁と農林水産省が、4月13日に措置をとる方針と、申請ごとの扱いを公表
  2. 2026年4月3日:農林水産大臣が法務大臣に、交付の停止を要請
  3. 2026年4月13日:入管庁が交付の一時停止措置を開始

出典:出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について」、「特定技能「外食業分野」における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について」、「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」

申請の種類ごとの扱い

2026年4月13日以降に受理された申請は、申請の種類と、申請する人のいまの在留資格で扱いが分かれます。入管庁が2026年3月27日に公表した扱いは、次のとおりです。

申請の種類2026年4月13日以降に受理された申請
在留資格認定証明書交付申請(海外からの呼び寄せ)不交付
特定技能1号(外食業分野)への変更:外食業分野の特定技能1号で在留する人(転職等に伴う申請)通常どおり審査
同:技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)を修了して移行する人審査の上、受入れ見込数の範囲内で順次許可(優先して処理)
同:すでに外食業分野の特定活動(特定技能1号移行準備)の許可を受けていて移行する人審査の上、受入れ見込数の範囲内で順次許可
同:上の3つ以外の人原則として不許可
在留期間更新許可申請通常どおり審査

表の3・4行目は、許可する時点の在留者数によっては、特定技能1号ではなく特定活動(特定技能1号移行準備)を案内される場合があります。案内されるのは、この特定活動への変更か、その在留期間の更新(1回まで)です。

2026年4月12日までに受理された申請は、認定・変更とも、審査の上、受入れ見込数の範囲内で順次交付・許可されます。認定は、変更の申請を優先して処理するため、交付までに相当な遅れが見込まれています。変更には、特定活動を案内される場合があるという同じ注記があります。

出典:出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について」(2026年3月27日)

特定活動(特定技能1号移行準備)への変更はできるか

外食業分野では、特定活動(特定技能1号移行準備)への変更申請も不許可です。ただし、次の3つは通常どおり審査されます。

特定活動(特定技能1号移行準備)は、特定技能1号で働く予定の受入れ機関で働きながら、移行の準備をするための在留資格です。

通常どおり審査される、特定活動への変更申請
  • 外食業分野の特定技能1号で在留する人からの申請(転職等に伴う申請)
  • 技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)を修了した人からの申請
  • 2026年4月13日より前に受理された申請で、3月27日までに食品産業特定技能協議会の加入申請をしているもの

出典:出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について」、「特定技能関係の特定活動(「特定技能1号」への移行を希望する場合)」

留学生や他分野の特定技能から採用する場合

留学生や、ほかの分野の特定技能1号の人を外食業で採用する場合は、申請の種類ごとの扱いの表の「上の3つ以外の人」に当たり、原則として不許可になります。入管庁の資料は、この2つの場面を名指ししていません。次の表は、資料の区分に当事務所が場面を当てはめたものです。

採用の場面入管庁の資料の区分当事務所の整理(4月13日以降に受理された申請)
留学生を、卒業後に外食業の特定技能1号で採用する「(1)から(3)以外の在留資格からの変更申請」原則として不許可
ほかの分野の特定技能1号の人を、外食業で採用する通常どおり審査されるのは「外食業分野で特定技能1号として在留する方」の申請原則として不許可
ほかの会社で外食業の特定技能1号として働く人を採用する「外食業分野内での転職」通常どおり審査

技能実習からの変更で順次許可の対象になるのは、「医療・福祉施設給食製造作業」を修了した人です。資料は、ほかの職種・作業の技能実習を挙げていません。

出典:出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について」、「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」

審査はどこまで進んでいるか

入管庁は、受入れ見込数の範囲内で、受付日の順に交付・許可を進めています。審査状況のページは更新が続いており、いちばん新しい掲載は2026年9月10日です(2026年10月9日に確認)。

申請交付・許可の対象(2026年9月10日掲載)
在留資格認定証明書交付申請受付日が2026年1月31日までの申請
変更:技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)から受付日が2026年8月31日までの申請
変更:外食業分野の特定活動(特定技能1号移行準備)から受付日が2026年8月31日までの申請
変更:特定技能1号(外食業分野)から(外食業分野内での転職)全ての申請
変更:上の3つ以外の在留資格から受付日が2026年4月12日までの申請(4月13日以降に受理された申請は原則不許可)
在留期間更新許可申請通常どおり、審査が終わり次第、順次許可

認定の申請は、変更の申請を優先して処理したうえで、毎月の在留者数を見て交付できる場合に、受付日順で交付されています。変更の申請は、受入れ見込数を踏まえ、通常どおり審査が終わり次第、許可されています。

入管庁が挙げている留意事項
  • 交付・許可が止まっている間も、提出書類の修正や追加を求められる場合がある
  • 申請内容や提出書類の状況、在留期限の関係で、順番が前後する場合がある
  • 順番が来る前に在留期間が満了する見込みの申請は、不法残留を防ぐため、特定活動への申請内容変更申出を案内される場合がある(この特定活動の在留期間更新許可は1回限り)
  • 申請内容変更申出で特定活動を許可された人は、在留期間が満了するおおむね3か月前に、特定技能1号(外食業分野)への変更を申請する。提出書類は申請書と写真だけでよい
  • 技能実習生は、実習計画を修了した後は働けない。技能実習からの変更は、就労開始予定日の2か月以上前に申請するよう案内されている

出典:出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」(2026年9月10日掲載)

再開の時期は示されているか

再開の時期は示されていません(2026年10月9日時点)。農林水産省のQ&Aは、再開の見込みを問う質問に、次のように答えています。

現時点で再開の措置をとるかどうかを含め未定です。受入れに当たって5万人の上限に十分な余裕があるかなど諸般の事情を考慮し、適当と判断した場合に、事前にアナウンスした上で交付の再開の措置を行うことが想定されています。

再開するかどうかも決まっておらず、再開する場合は事前に知らせる、という内容です。このQ&Aに作成日の記載はありません。2026年10月9日の時点で、農林水産省のページに掲載されています。

入管庁が2026年4月22日に追加した参考資料も、受入れ再開の時期を「未定」としています。この資料の図には、令和10年度末(2029年3月末)の位置に「受入れ見込数再設定」と書かれています。

同じ資料は、政府の基本方針の記載として、受入れ見込数は大きな経済状況の変化が生じない限り、1号の受入れの上限として運用する、と紹介しています。

出典:農林水産省「特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について Q&A」、出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における受入れ見込数の上限超過への対応」(2026年4月22日追加)

特定技能2号と試験への影響

特定技能2号はこの措置の対象外で、外食業分野の1号から2号への変更申請は通常どおり審査されます。試験は、1号と2号で扱いが分かれています。

試験農林水産省の記載
外食業特定技能1号評価試験当面の間、国内外ともに実施しない
外食業特定技能2号評価試験国内において、6月からCBT方式により実施される(資料に作成日と年の記載なし)

2号評価試験の日程は、試験実施機関(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)のサイトで公表されます。申込みは企業からのみ受け付けられています(2026年8月作成のQ&A時点)。受験には、試験の前日までに、外食業分野で管理者相当の実務経験を2年以上積んでいることなどが必要です(2026年5月1日から)。

2号の要件の全体は、特定技能の全体像で説明しています。

2号評価試験に不合格だった人の通算在留期間

特定技能1号で在留できる期間は、通算で原則5年です。外食業分野では、2号評価試験に不合格でも、次のすべてに当てはまる場合は、最長1年間、5年を超えて在留できます。

5年を超えて在留できる場合(外食業分野)
  • 外食業特定技能2号評価試験で合格基準点の8割以上の得点を取っている等の要件を満たす
  • 日本語能力試験N3以上を取得している
  • 5年を超えて在留することに、相当の理由があると認められる

対象になるのは、発行日が2025年6月30日以降の試験結果通知書です。本人の誓約と、受入れ企業が引き続き雇用する意思と合格に向けた指導・支援の体制を持つことも要件です。申請できるのは、通算5年が満了する3か月前から満了までです。2025年10月17日以降は、N3以上で合格基準点の8割以上の得点を取っている場合も、対象になり得るとされています。

出典:農林水産省「外食業分野における外国人材の受入れについて」、「特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について Q&A」、「食品産業分野の特定技能2号に関するQ&A」(2026年8月作成版)、出入国在留管理庁「通算在留期間」

いま企業ができること

呼び寄せが止まっている間も、外食業の1号で在留する人の転職、在留期間の更新、2号への変更は、通常どおり審査されます。場面ごとの注意点は次のとおりです。

場面公表資料に書かれている注意点
外食業の特定技能1号で在留する人を採用する(転職)変更申請のときに、食品産業特定技能協議会の加入証が必要。加入の審査には2〜3か月かかる
技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)を修了する人を採用する就労開始予定日の2か月以上前に変更申請をするよう案内されている
自社で働く1号の人の在留期間を更新する通常どおり審査される
自社で働く1号の人に2号を目指してもらう2号評価試験は企業が申し込む。管理者相当の実務経験は、できるだけ辞令や職務命令書で役職を命じて積ませるよう案内されている
申請済みで、交付・許可を待っている書類の修正や追加を求められる場合がある。在留期限が先に来る人は、特定活動への申請内容変更申出を案内される場合がある

農林水産省は、協議会への加入を早めに申請するよう案内しています。

自社の採用がどの申請に当たるか判断がつかない場合は、特定技能に関するご相談で、申請する人の在留資格と受付日をもとに確認します。

出典:出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」、農林水産省「外食業分野における外国人材の受入れについて」、「特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について Q&A」、「食品産業分野の特定技能2号に関するQ&A」

よくある質問

協議会への加入申請が2026年3月28日以降でも、転職者を受け入れられますか?

受け入れられます。転職に伴う在留資格変更許可申請のときに、協議会の加入証が必要です。農林水産省のQ&Aは、3月28日以降に加入申請をした場合でも、外食業分野の特定技能1号で在留中の人の転職先になることは可能だとしています。

交付や許可の順番を、入管に問い合わせて教えてもらえますか?

教えてもらえません。入管庁は、交付・許可の状況について、入管庁、地方出入国在留管理官署、農林水産省のいずれに問い合わせても答えられないとしています。進み具合は、入管庁の審査状況のページに掲載される受付日で確かめます。

外食業分野の育成就労も止まるのですか?

農林水産省は、外食業分野の育成就労について、2027年4月の運用開始に向けて準備を進めているとしています(停止措置に関するQ&A)。制度の内容は、育成就労の全体像にまとめています。

まとめ

特定技能「外食業分野」では、2026年4月13日以降に受理された1号の在留資格認定証明書交付申請は不交付、変更申請は原則として不許可です。外食業分野の中での転職に伴う申請、在留期間の更新、2号への変更は、通常どおり審査されます。

再開の時期は示されていません(2026年10月9日時点)。採用を考えている方は、相手のいまの在留資格が表のどの行に当たるかを先に確かめてください。申請済みの方は、入管庁の審査状況に掲載される受付日と、本人の在留期限を見比べておくと安心です。

参考資料

執筆者

日高 拓郎
日高 拓郎

行政書士(申請取次)。ジプニー行政書士事務所 代表。千葉県行政書士会所属(登録番号 第25101585)。
フィリピンの現地法人で責任者を務めた後、2023年に株式会社ジプニー(登録支援機関)を創業。2025年にジプニー行政書士事務所を開業。

事務所案内を見る

Related Service

特定技能ビザ申請サービス

特定技能1号・2号の申請を行政書士が代行。分野別の要件確認から支援計画の作成まで対応します。

まずはお気軽にご相談ください

ビザ申請・外国人雇用に関するご相談は、下のいずれの方法でもお受けしています。60 分の初回相談は無料です。

ジプニー行政書士事務所 - 平日 9:00 - 18:00

無料で相談する初回60分無料・1営業日以内に返信