入管法改正【2026年最新】いつから何が変わる?永住・就労・手数料の主な変更点を行政書士が解説
2026年から2027年にかけて、出入国管理及び難民認定法(入管法)と関連法令の改正が次々と施行されます。永住者・就労ビザを持つ方、これから申請を予定している方、外国人材を受け入れている企業――それぞれに関係する変更が多く、何がいつから変わるのか整理が追いつかないという声をいただきます。
この記事は、2026年〜2027年に施行される主な改正点を一つの記事で俯瞰できるよう、行政書士の視点からまとめたものです。各テーマの詳しい解説は個別記事にリンクを貼っているので、自分に関係する項目を見つけたら、リンク先で詳細を確認してください。
この記事でわかること
- 2026年〜2027年に施行される入管法・関連法令の改正項目と施行時期
- 永住・帰化・就労ビザ・手数料それぞれへの影響
- 各改正の対象者と、自分に関係するかどうかの確認の仕方
- 詳しく知りたい項目の解説記事への入り口
全体像——主な改正項目と施行時期
2026年1月〜2027年4月に施行される主な変更を、時系列で整理します。
- 2026年1月:行政書士法改正(登録支援機関の書類作成代行が名目を問わず違法に明確化)
- 2026年4月:帰化申請の審査運用の引き上げ(居住要件・納税確認・社会保険料)
- 2026年4月:技人国ビザに日本語能力要件が追加(カテゴリー3・4の対人業務)
- 2026年4月:特定技能「外食業」の新規受入が原則停止
- 2026年度中:在留手数料の大幅な引き上げ(更新3〜4万円、永住約20万円見込み)
- 2027年3月31日:永住申請の在留期間「3年」経過措置が終了
- 2027年4月:永住権の取り消し制度が施行
- 2027年4月:育成就労制度の開始(技能実習制度の廃止)
それぞれの改正の内容と影響を、順に見ていきます。
【2026年1月施行】行政書士法改正——登録支援機関の書類作成が違法に明確化
2026年1月1日、改正行政書士法が施行されました。第19条に「いかなる名目によるかを問わず」という文言が追加され、登録支援機関等が「支援費」「コンサルティング料」「事務手数料」等の名目で在留資格申請書類を作成する行為は、名目にかかわらず違法であることが条文上明確になっています。
両罰規定(個人だけでなく法人にも罰金)も新設され、組織として違反が行われた場合は法人にも罰則が及びます。特定技能の受入企業にとっては、登録支援機関と行政書士の役割分担を改めて確認する必要があります。
詳しくは 2026年行政書士法改正|登録支援機関による在留資格の書類作成が明確に違法に で、適法・違法の境界線をケース別に整理しています。
【2026年4月運用開始】帰化申請の審査基準が引き上げられました
2026年4月1日から、帰化申請の審査運用が見直されました。国籍法そのものの改正ではなく、法務省の運用基準の変更です。
主な変更点は次の通りです。
- 居住要件:従来は法律上「5年以上」の運用 → 原則として10年以上の在留が求められる運用へ
- 納税確認期間:直近1年分 → 直近5年分
- 社会保険料の確認:明確な期間なし → 直近2年分
- 日本語能力の審査:法務局独自の筆記試験を求められるケースが増加
永住許可と同水準まで運用が引き上げられた形です。これから帰化申請を検討している方は、過去の納税・社会保険料の納付状況を改めて確認しておくことが必要です。
帰化申請の準備は、新しい運用基準を踏まえた書類整備が欠かせません。
【2026年4月施行】技人国ビザに日本語能力要件が追加
2026年4月15日、技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザの審査指針が改定されました。カテゴリー3・4の企業で「言語能力を用いて対人業務」に外国人を従事させる場合、CEFR B2相当(日本語能力試験N2相当)の日本語能力証明が必要となりました。
ポイントは次の3点です。
- 適用対象は中小企業が多く該当するカテゴリー3・4のみ
- 業務範囲は「言語能力を用いた対人業務」に限定(翻訳・通訳、ホテルフロント業務等の接客が公式例)
- JLPT N2、BJT 400点以上、日本の大学卒業など、複数の免除条件あり
留学生の新卒採用が中心の企業では免除条件に該当することが多く、影響は比較的限定的です。一方、対人業務での中途採用を予定している企業は、新要件への対応が必要になります。
詳しくは 技人国ビザに日本語能力要件が追加──「対人業務」とは何か、企業担当者が知っておくべきこと で、対象範囲・免除条件・追加書類を詳しく解説しています。
技人国ビザにはもう一つ、注意しておきたい運用の変化があります。「名目上の職種」と「実際の業務」の乖離を問題視する政府方針が示され、入管職員による実地調査も実施されています。詳しくは 技人国ビザの審査厳格化|「名目と実態の乖離」で不許可になる事例と企業の対応策 を参照してください。
【2026年4月13日〜】特定技能「外食業」の新規受入が停止
2026年4月13日から、特定技能「外食業」分野の新規受入れが原則停止されました。受入見込数(上限)の5万人到達が見込まれるためで、特定技能制度の創設以来、分野の上限到達による新規受入停止は初めてのケースです。
停止の対象と継続できる手続きを整理します。
- 海外からの新規呼び寄せ(在留資格認定証明書交付申請):4月13日以降不交付
- 他分野からの在留資格変更:原則不許可
- 既に外食業で働いている特定技能外国人の在留期間更新:引き続き可能
- 既に外食業で働いている特定技能外国人の同分野内での転職:引き続き可能
- 特定技能2号への移行:継続可能
既に外食業で在留中の方の更新や転職は通常通り対応できます。詳しくは 【4/13〜停止】特定技能「外食業」の新規受入|更新・転職への影響と例外を行政書士が解説 を参照してください。
【2026年度施行】在留資格の手数料が大幅に引き上げ
2026年3月10日、在留資格に関する手数料の法定上限を引き上げる入管法改正案が閣議決定され、国会に提出されています。1981年以来、約45年ぶりの見直しです。
法定上限と、実際の手数料の見込みは次の通りです。
- 在留期間更新・在留資格変更:上限1万円 → 上限10万円(実額は在留期間に応じた段階制で平均3〜4万円見込み)
- 永住許可:上限1万円 → 上限30万円(実額は約20万円見込み)
- オンライン申請の優遇・経済的困難への減免が政令で設けられる見通し
具体的な金額・施行日は法律の成立後に政令で定められます。施行は2027年3月31日までとされており、現行料金で申請できる期間が限られていることが特徴です。永住申請を検討している方は、現行料金のうちに申請するかどうかの判断が必要になります。
【2027年3月31日期限】永住申請の在留期間「3年」経過措置
2026年2月24日改訂の永住許可ガイドラインでは、原則として「最長の在留期間(一般的に5年)」を有していることが要件として明確化されました。ただし、令和9年(2027年)3月31日までは、在留期間「3年」を有する場合も「最長の在留期間を有する」ものとして扱う経過措置が設けられています。
経過措置のポイントは次の通りです。
- 期限は2027年3月31日まで
- 「3年」での申請は初回に限るという限定ルールあり
- 在留期間が3年で永住申請を検討している方は、申請時期の判断が重要
【2027年4月施行】永住権の取り消し制度が新設
2024年6月に成立した改正入管法により、2027年4月から永住権の取り消し制度が施行されます。永住権はこれまで一度取得すれば在留期間の制限なく日本に在留できる安定した在留資格でしたが、一定の事由に該当する場合には取り消されることになります。
取消事由の主なポイントです。
- 故意の公租公課(税・社会保険料等)の未払い
- 1年超の拘禁刑
- 「うっかりの未払い」「病気で働けなかった」といったケースは対象外
- 既に永住者として在留中の方も対象になりうる
これから永住申請する方だけでなく、既に永住者として在留している方にも関係する制度です。
【2027年4月施行】育成就労制度の開始(技能実習制度の廃止)
2027年4月1日、技能実習制度が廃止され、新たな在留資格「育成就労」がスタートします。「人材育成を通じた国際貢献」を目的としていた技能実習に対し、育成就労は「人材確保+人材育成」を明確な目的とする制度です。
主な制度設計は次の通りです。
- 在留期間は原則3年(試験不合格等の場合は最長1年の延長可)
- 一定の要件のもとで本人意向の転籍が可能
- 就労開始前にA1相当・育成期間中にA2相当の日本語能力が目標
- 特定技能1号への移行は試験合格が必須
- 監理団体は「監理支援機関」へ移行(要件が厳格化)
- 対象は17分野(航空・自動車運送業の2分野は対象外)
技能実習生を既に受け入れている企業も、これから受入れを検討する企業も、新制度のもとで何をいつまでに準備するかの整理が必要です。当事務所では育成就労・特定技能ビザの申請サポートを通じて、移行期の手続き設計についてもご相談をお受けしています。
詳しくは 育成就労制度とは?2027年施行・技能実習廃止と新制度を行政書士が解説 で、対象17分野・移行スケジュール・経過措置まで整理しています。
まとめ——「自分に関係するか」を確認することから
2026年〜2027年は、入管法・関連法令の改正が連続する節目の年です。永住者・就労ビザを持つ方、これから申請を予定している方、外国人材を受け入れている企業――それぞれに関係する変更が複数あります。
主な改正項目を再掲します。
- 2026年1月:行政書士法改正(登録支援機関の書類作成)
- 2026年4月:帰化審査運用の引き上げ
- 2026年4月:技人国ビザの日本語能力要件追加
- 2026年4月:特定技能「外食業」の新規受入停止
- 2026年度:在留手数料の大幅値上げ
- 2027年3月:永住申請「3年」経過措置の終了
- 2027年4月:永住権の取り消し制度の施行
- 2027年4月:育成就労制度の開始(技能実習廃止)
各改正は、施行時期も対象者も異なります。まずは自分(または自社)に関係する項目を特定し、必要に応じて準備や申請のタイミングを検討することが第一歩です。個別のケースで判断が分かれる部分や、施行スケジュールに合わせて準備を進めたい場合は、当事務所でもご相談をお受けしています。



