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経営・管理ビザ、税務違反が在留審査に直結へ|入管庁と国税庁の情報連携が2026年7月1日開始

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経営・管理ビザ、税務違反が在留審査に直結へ|入管庁と国税庁の情報連携が2026年7月1日開始
Published on: 2026年7月22日
Category: 就労ビザ

経営・管理ビザ、税務違反が在留審査に直結へ|入管庁と国税庁の情報連携が2026年7月1日開始

2026年7月1日、出入国在留管理庁と国税庁の間で、在留外国人に関する情報連携が始まりました。悪質な納税義務違反があった外国人について、国税庁から入管庁へ情報が提供され、その後の在留資格の申請で慎重な審査の対象になる仕組みです。

この情報連携そのものは今回が初めてではなく、2020年6月から存在していた枠組みを更新し、対象範囲を広げる形で実施されています。

この記事では、情報連携の中身、対象になる人の範囲、経営・管理ビザを中心に実務上どのような影響が出るのかを整理します。

この記事でわかること

  • 入管庁と国税庁の情報連携で、具体的に何が行われるのか
  • どのような納税義務違反が対象になるのか
  • 経営・管理ビザにとって特に注意すべきポイント
  • 今からできる備え

何が始まったのか——入管庁と国税庁の情報連携

今回の情報連携は、両庁が交わした確認書に基づくものです。確認書には、目的が次のように記載されています。

本情報連携は、外国人の在留の公正な管理並びに内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現を図ることを目的とし、出入国在留管理庁及び国税庁が、それぞれの事務の遂行に関し相手方に協力を求め、協力を求められた方が、可能な限りこれに応じることにより行う。

ざっくり言えば、外国人の在留審査を適正に行うことと、税金を公平に集めることの両方のために、二つの役所が持っている情報をお互いに融通し合う、という内容です。

この枠組み自体は2020年6月18日付ですでに存在していました。今回の確認書は、その旧版を廃止したうえで、新しい内容に置き換える形で発出されています。自民党の外国人政策本部が2026年1月にまとめた提言の中で、納税義務違反があった外国人についての情報提供の対象範囲を拡充するよう政府に求めており、今回の更新はこの提言を踏まえたものです。

対象になるのはどんな人か

確認書では、対象者を次のように定めています。

出入国管理及び難民認定法別表第一又は別表第二に掲げる在留資格をもって在留する外国人のうち、納税の義務に関する悪質な違反があったもの

ポイントは2つあります。一つは、対象が経営・管理ビザに限らず、就労ビザや永住者など、在留資格を持つ外国人全般に及ぶという点です。もう一つは、単なる滞納ではなく「悪質な違反」に絞られている点です。うっかり納付を忘れていた、支払いが遅れたというだけでは対象にならないと考えられます。

ただし、自民党の資料では経営・管理ビザについて、次のような具体例が挙げられています。

  • 消費税の不正還付に関して重加算税の賦課決定処分を受けた
  • 所得税・法人税等に関して重加算税の賦課決定処分を受けた機関を運営している

重加算税は、単なる申告漏れではなく、仮装・隠蔽といった悪質性が認められた場合に課される加算税です。経営・管理ビザで会社を運営している方にとっては、会社の税務処理の適正さが、そのまま自分自身の在留審査に跳ね返ってくる構造になっているという点が、他の在留資格と比べて特徴的です。

情報連携の中身——双方向のやり取り

確認書によると、情報のやり取りは一方通行ではありません。

国税庁から入管庁へ 悪質な納税義務違反があった外国人について、入管庁の求めに応じて情報を提供します。あわせて、入管庁から提供された在留外国人の情報を、税務の賦課・徴収の事務に活用します。

入管庁から国税庁へ 国税庁から情報提供を受けた外国人について、その後の在留資格の申請状況を国税庁に通知します。また、国税庁の求めに応じて、一定の在留資格や在留期間に該当する在留外国人の情報も提供します。

つまり、税務署側で違反が確認された情報が入管の審査に反映されるだけでなく、入管側が持っている在留状況の情報も税務調査に活用される、双方向の仕組みです。

経営・管理ビザ保有者にとっての実務的な意味

経営・管理ビザは、在留期間の更新のたびに事業の状況を審査されます。今回の情報連携により、会社の税務処理に悪質な違反があった場合、それが更新審査の場面で「特に消極的な要素」として評価されることが明確になりました。

これまでも納税状況は審査で確認される項目でしたが、今回の情報連携によって、国税庁側で把握された悪質な違反の情報が、より直接的に入管の審査に届く経路が整備されたことになります。会社の経理・税務処理を税理士等の専門家に任せている場合でも、経営者本人の在留資格に影響する可能性がある以上、内容を把握しておく価値は高いと言えます。

当事務所でも経営・管理ビザの申請サポートを行っており、更新申請に向けた準備の中で、こうした審査上の留意点も含めてご案内しています。

永住権の取り消し制度とも共通する流れ

税務・納税の状況が在留資格に直結するという流れは、今回の情報連携に限った話ではありません。2027年4月に施行される永住権の取り消し制度でも、「故意に公租公課の支払をしないこと」が取消事由の一つとして定められています。詳しくは永住権の取り消し制度はいつから?2027年4月施行|対象になる人・ならない人を行政書士が解説で解説しています。

情報連携の強化と永住権取消制度は別々の制度ですが、どちらも「公的な義務をきちんと果たしているか」が在留資格の審査でこれまで以上に重視される、という同じ方向を向いた動きとして捉えておくとよさそうです。

よくある誤解・注意点

「うっかり納付が遅れただけで対象になる」という誤解 確認書の対象は「悪質な違反」に限定されています。支払いが数日遅れた、うっかり忘れていたといったケースがそのまま情報提供の対象になるとは考えにくく、重加算税の対象になるような、仮装・隠蔽を伴う悪質なケースが想定されています。

「経営・管理ビザだけが対象」という誤解 確認書の対象は在留資格全般です。経営・管理ビザは自民党資料で具体例として挙げられていますが、就労ビザや永住者など、他の在留資格を持つ外国人も同じ枠組みの対象になります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 情報連携はいつから始まりましたか? 2026年7月1日からです。ただし、この枠組み自体は2020年6月からすでに存在しており、今回はその対象範囲を拡充する形での更新です。

Q2. 対象になるのは経営・管理ビザだけですか? いいえ。入管法別表第一・第二に掲げる在留資格を持つ外国人全般が対象です。経営・管理ビザは、消費税不正還付などの具体例が示されている点で特徴的に扱われています。

Q3. どの程度の納税義務違反が対象になりますか? 確認書は「悪質な違反」という表現にとどめており、具体的な基準までは公表されていません。自民党の資料では、重加算税の賦課決定処分を受けたケースが例示されています。

Q4. 会社の税務を税理士に任せていれば安心ですか? 税務処理そのものの適正さは重要ですが、経営者として会社の税務状況を把握しておくことも、今回の情報連携を踏まえるとこれまで以上に大切になります。

まとめ

  • 2026年7月1日、入管庁と国税庁の情報連携が始まった(2020年からの枠組みを更新・拡充したもの)
  • 対象は在留資格全般で、納税義務の「悪質な違反」があった外国人が対象
  • 国税庁→入管庁、入管庁→国税庁の双方向で情報がやり取りされる
  • 経営・管理ビザでは、消費税不正還付等による重加算税が「特に消極的な要素」として例示されている
  • 2027年4月施行の永住権取消制度でも公租公課の故意の未払いが取消事由になっており、納税状況の重視という同じ流れの一部
  • 経営・管理ビザ保有者は、会社の税務処理の状況を経営者自身も把握しておくことが実務上重要

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